イーサリアム：世界コンピュータから金融決済レイヤーへの転換の道

イーサリアムの定位が"世界コンピュータ"から"世界帳簿"への転換は、実際にはEIP-1559の実施時に始まっていました。ステーブルコインはイーサリアムネットワーク上で50％の市場シェアを占めており、その金融決済レイヤーとしての地位をさらに強固にしています。この転換プロセスについて詳しく探ってみましょう：

EIP-1559：価値捕捉メカニズムの再構築

EIP-1559の核心はGas費用の削減ではなく、イーサリアムメインネットの価値捕捉モデルを再定義することにあります。それ以前は、すべての取引がメインネットに集中していたため、ETH Gasの消費が膨大で、ネットワークが深刻に混雑していました。EIP-1559が予測可能なBase feeメカニズムを導入した後、Layer2のメインネットでのバッチ提出コストは安定し制御可能になり、Layer2の運営のハードルが下がりました。

この変革は、実質的にイーサリアムの価値捕獲ロジックを「消費型成長」から「納税型成長」へと転換します。Layer2はユーザー手数料を得ますが、定期的にメインネットにバッチデータを提出し、ETHを焼却する必要があり、中央銀行と商業銀行の関係に似た形を形成します。

ステーブルコイン：イーサリアム金融決済レイヤーの地位の確証

データによると、世界のステーブルコインの総市場価値は2,500億ドルを超え、そのうちエーテルが50％のシェアを占めています。この割合はEIP-1559の実施後に減少するどころか増加し、市場がエーテルの安全性に対する高い信頼を反映しています。

ステーブルコインの発行者はエーテルを選択しており、主にその近千億ドルのETHステーキングが提供する経済的安全性を重視しています。この安全性は、大規模な資産を管理する機関にとって非常に重要です。エーテル上でのステーブルコインの蓄積が進むにつれて、自己強化の成長サイクルが形成されます：ステーブルコインの増加がより深い流動性をもたらし、さらに多くのDeFiプロトコルを引き寄せ、結果的により多くのステーブルコインの需要が生まれます。

エコシステムの分業と未来の展望

イーサリアムのメインネットは高レベルの決済レイヤーに焦点を当てており、Base、Arbitrum、OptimismなどのLayer2ネットワークが高頻度取引を処理し、明確かつ効率的な分業体系を形成しています。Layer2からメインネットに戻るすべての決済はETHを焼却し、デフレ効果を促進します。

しかし、ユーザーがLayer2に移行するにつれて、イーサリアムのメインネットにおける日平均ETHの焼却量は大幅に減少しました。それにもかかわらず、ステーブルコインの大量の蓄積、大規模なステーキングのセキュリティ保障、そして世界最大のDeFiエコシステムが、イーサリアムを決済の権威としての地位を確固たるものにしています。

イーサリアムの創始者は最近「世界帳簿」の位置付けを再度強調し、むしろ既成事実の公式確認のようなものです。もし将来の暗号通貨の発展方向がチェーン上のDeFi基盤インフラと従来の金融の融合であれば、イーサリアムが「世界中央銀行」としての位置付けはその主導的地位を十分に保証するでしょう。Layer2エコシステムの繁栄は決定的な要因ではありません。