RedStone Atomのご紹介：清算インテリジェンスを活用した高度なレンディング拡張エンジン

RedStoneは、オラクル技術の革新として「RedStone Atom」を発表しました。これは世界初の、清算に関するインテリジェンスを組み込んだオラクルです。

RedStone Atomは、従来型オラクルとは異なり、貸付プロトコルのパフォーマンスを積極的に向上させることに特化した初のソリューションです。遅延ゼロのアップデートにより、プロトコルは迅速なポジション清算、LTV（ローン・トゥ・バリュー）比率の引き上げ、他社に対して優位性のあるリスク調整後リターンを実現します。

また、AtomはOracle Extractable Value（OEV）を価格投稿時に自動捕捉し、この価値をプロトコルへ還元します。これにより、新たな収益源の創出、ユーザーへの高利回り、または借入コストの削減が可能です。

FastLane Labsの革新的なアプリケーション特化型シーケンス技術を搭載したAtomは、清算遅延や追加のセキュリティ要件は不要です。

RedStone Atomは、RedStoneの任意のデータソースをどのブロックチェーン上でもすぐに有効化できます。コードやエンジニアリングの変更は不要です。

Atomは現在Unichain上で稼働し、Compound Finance、Morpho、Venus Protocol、Upshiftのセキュリティを提供しています。また、BNB Chain、Base、Berachainで導入済みで、今後Ethereum、HyperEVM、Arbitrum等にも展開予定です。RedStoneデータソースでAtomの有効化をご希望の場合は、RedStoneチームまでご連絡ください。

主なポイント：

• 貸付パフォーマンスの強化：Atomがオラクルをパフォーマンスエンジンへ進化させます。即時清算によりLTVが向上し、利回りが改善され、プロトコルに明確な競争優位をもたらします。
• 遅延ゼロの清算：Atomは清算可能と判断した瞬間に価格を即座に更新し、厳格なリスクパラメータを適用しながら他社を凌駕します。
• OEVネイティブ捕捉：従来オラクルは20億ドル超のOEVをMEVボットへ流出させてきました。Atomはシールドオークションで清算価値を捉え、プロトコルに還元します。
• アトミックトランザクション：価格更新、清算、OEV配当を約300ミリ秒でFastLaneのAtlas上の1トランザクションで完結します。
• 即時運用：AtomはRedStoneの任意のデータソースとチェーンで即座に有効化でき、追加のコードやエンジニアリングは不要です。

RedStone Atom：貸付プロトコルの基盤を刷新

「RedStone Atomは、オラクル分野を根本から変革するソリューションです。プロトコルのために一から設計されており、後付けのものではありません。Atomは、最高利回りを目指す貸付プロトコルに不公平なほどの優位性をもたらし、DeFiで数億ドル規模のOEV非効率性を解消します。端的にいえば、AtomはDeFi貸付に必要だった高性能エンジンであり、プロトコルのために設計されています。」

—Marcin Kazmierczak（RedStone共同創業者）

Atomはオラクル技術を刷新し、DeFiの従来型オラクルが抱える重大課題を解決します。

多くの貸付プロトコルは、あらかじめ定めた時間間隔や価格変動率の閾値など、特定条件下でのみオンチェーンに価格を押し出す「プッシュフィード」型データソースに依存しています。

価格がブロックチェーンに到達すると、DeFiプロトコルはそのデータで清算等を実施します。より速いオラクル更新は、プロトコルがリスク許容度を上げて借入余力を拡大し、ユーザーへの魅力向上を可能にします。一方、更新が遅れると、プロトコルは不良債権を避け慎重なリスク設定を余儀なくされます。

オンチェーン価格更新ごとにガスが発生するため、従来のプッシュフィードオラクルは持続性確保のために更新頻度が低めです。このためプロトコルは必要なタイミングで情報を得られず、パフォーマンスが制約されます。

RedStone Atomは、プロトコルのニーズに応じオンデマンドかつ即時に更新可能な初のプッシュフィードデータソースを実現し、この課題を解決します。

独自のアプリケーション特化型シーケンス技術により、RedStone Atomは新たな価格が清算を引き起こす際、誰でもアップデートをコールし、遅延ゼロでデータを反映できるようにしています。

貸付領域ではスピードが決定的です。RedStone Atom導入で、DeFiプロトコルは従来型を上回る速度と効率で清算を実行でき、LTV拡大、利回り向上、ユーザー価値向上を実現します。この差が、Atom未導入の従来型依存プロトコルに対する競争優位をもたらします。

$500 Million Problem：OEVと従来型オラクルの限界

プッシュフィードオラクルがEthereumメインネットに登場して以来、Oracle Extractable Value（OEV）は深刻な脆弱性となっています。OEVは正確な測定が難しいものの、保守的な推計でも累計損失は5億ドル超にのぼります。EthereumのAAVE v2およびv3だけでも3億ドルを超えるOEV損失が発生したとみられます。

ブロックチェーンオラクルが貸付プロトコルの清算を可能にする価格を投稿するたびにOEVが生じます。プロトコル健全性や不良債権防止のため、貸付プロトコルは清算ボーナス（時に10%以上）を付与します。こうした清算はリスクがほぼゼロで熾烈な競争となり、ボーナスの多くがpriority feeに費やされ、プロトコルは高額な対価を払って自らの安全を確保しています。

2024年には初のOEV捕捉型製品が登場しましたが、普及や大規模OEV捕捉には至っていません。多くの現行OEVソリューションは、OEV捕捉だけでオラクル基盤自体を強化できず、逆に清算遅延や拡張困難なオフチェーン依存が深刻化しています。こうした手法は、リスクのある大規模なプロトコルアップグレードを必要とし、実用性を損なっています。

RedStoneはOEVソリューションに下記4基準を設定しました：

• 清算遅延ゼロ（むしろAtomで清算はさらに高速）
• 追加のセキュリティリスクや信頼要件は不要
• あらゆるEVM互換チェーンでのシームレスなスケーラビリティ
• OEV捕捉率90%以上を目指す高性能捕捉（統合市場）

Atom OEVオークション（FastLane提供）

RedStone Atomはこれら厳格な基準を満たし、革新的なアプリケーション特化型シーケンス技術でOEV捕捉をさらに強化しています。

Atom内では、RedStoneデータソースがFastLaneのAtlasでAtom OEVオークションを実施します。

FastLaneはRedStone最新価格をオフチェーンのオークションにストリーミングし、各オークションは300ミリ秒未満で実施されます。この短時間で、リクイデーターが清算ボーナスを競います。

オークション終了後、FastLaneは入札順にAtlasスマートコントラクトへビッドを提出します。Atlasはデータソース更新とオークション決済をアトミックに行い、オンチェーンで勝者を決定。落札ビッドがあれば、Atlasは以下3処理を単一トランザクションで即時実行します：

• 新たな署名済みオラクル価格をプッシュ
• 清算を実行
• 落札額を指定受取人へ送金

この3アクションは同一ブロック内でアトミック決済され、オラクル更新と清算は完全に一体化します。フロントランや清算遅延による取りこぼしの余地がありません。

オフチェーン価格で清算対象ポジションが生じれば、Atlasはミリ秒単位のオークションをシールドビッド形式で実施、リクイデーターまたは任意のソルバーが独占清算権を争います。落札ビッドが失敗した場合でも、Atlasのtry/catchで即座に次のソルバーへ切り替えます。

プロトコルは清算ボーナスの大半を収益とし、落札参加者が残余を受け取ります。適切なビッドがなければ、RedStoneリレーヤーが通常通り価格を投稿し、プロトコルは標準運用を継続。Atlasでの清算が失敗した場合、価格更新は全ユーザーに開放され通常清算が可能となります。

例外時は信頼済みデフォルトプロセスに自動で切り替わり、最適状態では即時清算・OEV捕捉が実現します。

「FastLaneはDeFiのリアルタイムレバレッジミントを創出しています。これは清算リスクに最適化したエンジンです。RedStone Atomはプロトコルとユーザー双方へ最善の結果をもたらし、オンチェーンDeFiにパーミッションレスな革新をもたらします。」

—Alex Watts（FastLane創業者）

RedStone Atomの導入方法

Atomの有効化には技術的な統合は必要ありません。RedStoneの全ての価格フィードおよびチェーンでネイティブに有効にできるアップグレードです。有効化すると、そのフィードを利用するプロトコルすべてに遅延ゼロの清算とOEV捕捉が適用され、データソースコントラクトアドレスの変更も不要です。

Atom有効化の流れ：

• RedStoneへAtomを有効化したいデータソースを依頼
• OEV受取用アドレスを提出

RedStoneが指定チェーンにAtlasコントラクトを展開し、Atom稼働後はご担当者に通知します。

ブロックチェーンオラクル技術の新時代

AtomはUnichainで初展開され、オラクル技術革新の大きな一歩となりました。現在、ほとんどのブロックチェーンオラクルは（セキュリティ記録以外に）差異が乏しく、同一チェーンのETH/USDフィードはほぼ同じです。Atomはその状況を打破する存在です。

Atom対応フィードにアップグレードした貸付プロトコルは、より積極的なリスクパラメータを活用でき、競合他社に差をつけてユーザーに高利回りをもたらします。これによってRedStoneは貸付プロトコルが選ぶべき主要データソースとなっています。

他のブロックチェーンオラクルは、RedStone Atomに真に並ぶことはできません。RedStoneのモジュラーアーキテクチャが実現するAtomのネイティブ統合は他社には再現困難です。

RedStoneおよびFastLane Labsは、Atomが捕捉したOEVの一部を、プロトコルおよびエコシステム開発に充当するためオンチェーンの透明なアドレスで保有します。

RedStone Atomの詳細はETHcc 2025講演動画をご覧ください：

• RedStone共同創業者 Marcin Kazmierczak：https://www.youtube.com/watch?v=dQxkAPp3z9Y
• RedStone Atomリード Mike Massari：https://youtu.be/M1YFKQZ55UM

FastLaneについて

FastLaneは、Polygon PoSでバリデータブロックオークションを長年運用してきたMEVの専門集団であり、現在では総ステーキング資産の約75%をカバーしています。RedStoneとの最新パートナーシップでは、貸付プロトコル向けパーミッションレス実行レイヤーの構築と、RedStoneのデータ基盤を活用したDeFiの安全なレバレッジ拡大に注力しています。

RedStoneについて

RedStoneは、DeFiおよびオンチェーン金融向けに設計されたモジュラー型ブロックチェーンオラクルです。価値蓄積型ステーブルコイン、リキッドステーキングトークン（LST）、リステーキングトークン（LRT）など利回り資産に特化。110超のブロックチェーンで安全・堅牢・柔軟なデータフィードを提供し、Securitize、Ethena、Morpho、Drift、Compound、ether.fi、Lombard等、170超の主要DeFiプロトコルから信頼を獲得しています。

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